こんにちは!Revowth 清野です。
「夜に食べると太る」「糖質は太りやすい」「プロテインを飲みすぎると腎臓に悪い」……。ダイエットや筋トレをしていると、こうした食事の“常識”をよく耳にしますよね。
2026年10月、国際スポーツ栄養学会(ISSN)の学会誌に、食事に関する16のよくある疑問を科学的に検証した総説(レビュー論文)が掲載されました。
今回はその中から、筋トレ・減量に関わる6つの疑問をピックアップして、パーソナルトレーナー目線でわかりやすく解説します。
まずは結論!6つの疑問の答え
| よくある疑問 | 答え | ポイント |
|---|---|---|
| 高タンパク食は腎臓に悪い? | NO | 腎機能が正常な人では、短〜中期で悪影響は確認されていない |
| 筋肥大にはカロリー余剰が必要? | NO | 初心者〜中級者は脂肪を減らしながら筋肉を増やせることも |
| 糖質は脂質より太りやすい? | NO | カロリーをそろえれば、糖質が特別に太りやすいわけではない |
| 断食は痩せる? | △ | 短期的にわずかに有利。ただし長期では普通の食事制限と同程度 |
| 夜に食べると太る? | NO | 寝る前のタンパク質で体脂肪が増えなかった研究も |
| 食事を小分けにすると痩せる? | NO | 回数より総カロリー。ただし食欲の管理には役立つ可能性 |
ここからは、ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
疑問1:高タンパク食は腎臓に悪い?
答え:腎機能が正常な人では、短〜中期の研究で悪影響は確認されていません。
「プロテインを飲みすぎると腎臓を壊す」は、ジムでもよく聞く話です。しかし総説では、これを根拠に乏しい誤解としています。
- 28件のランダム化比較試験(参加者1,358人)をまとめた研究では、体重1kgあたり1.5g以上の高タンパク食でも、健康な人の腎機能に悪影響は見られませんでした。
- 筋トレをしている男性が体重1kgあたり約2.5〜3.3gのタンパク質を1年間とり続けた研究でも、腎機能の指標に問題はありませんでした。
- 高タンパク食で腎臓のろ過量(GFR)が上がることはありますが、これは体の正常な適応反応と考えられています。
ただし、これはあくまで腎臓に病気がない人の話です。腎臓の病気がある方や健康診断で腎機能を指摘されている方は、タンパク質を増やす前に必ず医師に相談してください。
疑問2:筋肥大にはカロリー余剰が必要?
答え:必須ではありません。特に初心者は、脂肪を減らしながら筋肉を増やせる場合があります。
「筋肉をつけるには、まず太らないといけない」と思っていませんか?総説によると、初心者〜中級者は、意図的にカロリーを余らせなくても筋肉が増えて脂肪が減る、いわゆる「ボディリコンポジション」が起こりやすいとされています。
一方で、トレーニング歴が長くなるほどこの恩恵は小さくなります。総説では、次のような目安が示されています。
- 体脂肪率が男性で10%台半ば以下、女性で20%台半ば以下の人は、カロリー余剰を作るメリットが大きい
- 余剰の目安は維持カロリーの+10〜20%(約250〜500kcal)
- 脂肪をつけたくないなら+10%寄りにして、増やす分はタンパク質中心にする
実際、筋トレ経験者が普段の食事に約400〜800kcal分のタンパク質を上乗せしても、体脂肪が増えなかったという研究もあります。
疑問3:糖質は脂質より太りやすい?
答え:NO。カロリーをそろえた条件では、糖質が特別に太りやすいという根拠はありません。
糖質制限ブームで「糖質=太る」というイメージが広まりました。しかし、食事を厳密に管理した研究では意外な結果が出ています。
- 入院環境でカロリーを同じにして比較した研究では、脂質を減らした方が糖質を減らすより体脂肪が多く減りました。
- 61件のランダム化比較試験(6,925人)をまとめたレビューでも、低糖質食とバランスのよい食事で、体重の減り方にほとんど差はありませんでした。
総説の結論は、太る主な原因は「超加工食品などのとりすぎによるカロリー過多」だということです。お菓子やファストフードのように糖質と脂質の両方が多い食品を減らすほうが、糖質だけを目の敵にするより効果的です。
疑問4:断食(ファスティング)は痩せる?
答え:短期的にはわずかに有利ですが、長期的に優れているとは言い切れません。
16時間断食などの「間欠的断食」と、毎日少しずつカロリーを減らす「通常の食事制限」を比べた研究がまとめられています。
- 6か月ほどの短期では、断食の方が平均で約0.9kg多く体重が減った
- しかし6か月を超えると差は小さくなり、どちらも同じくらいの結果に
- 空腹がつらくて続かない人もいれば、カロリー計算が面倒で断食の方が楽な人もいる
つまり、断食は「魔法の方法」ではなく選択肢のひとつです。大事なのは、自分が無理なく続けられる方法を選ぶこと。総説でも、生活スタイルや好みに合わせて選ぶべきだとまとめられています。
疑問5:夜に食べると太る?
答え:NO。食べる時間だけで太るかどうかは決まりません。
「寝ている間は代謝が落ちるから、夜に食べたものは脂肪になる」とよく言われます。しかし、1日の消費カロリーの60〜75%を占める基礎代謝は、寝ている間も下がりません。
むしろ、寝る前のタンパク質にはメリットがあるという研究が紹介されています。
- 12週間の筋トレ中、毎晩寝る前にタンパク質27.5g+糖質15g(約175kcal)をとったグループは、筋肉量・筋力が大きく伸び、体脂肪は増えませんでした。
- 寝る前にタンパク質をとっても、脂肪の分解や燃焼は妨げられなかったという研究もあります。
総説が勧める寝る前の補食の目安は、100〜300kcal・タンパク質30〜40gです。プロテインやギリシャヨーグルトなどが手軽ですね。
ただし、寝る前に500kcalを超えるような大きな食事をとると、満腹感が得られにくく、1日の食べすぎにつながりやすいとも指摘されています。「夜は何でもOK」ではなく、量と中身が大切です。
疑問6:食事を小分けにすると痩せる?
答え:NO。回数を増やすだけで減量が進むわけではありません。
「1日5〜6食にすると代謝が上がって痩せる」という説がありますが、同じカロリーで1日2食と6食を比べた研究では、体重や体脂肪の減り方に差はありませんでした。
一方で、食事を小分けにすることには次のようなメリットもあります。
- 空腹や食欲をコントロールしやすくなり、カロリー制限を続けやすくなる
- 1回の量が減るので、胃腸の負担が軽くなる
「痩せるため」ではなく、「空腹に負けないため」に食事回数を調整する、と考えるとよいでしょう。
おまけ:タンパク質は「%」ではなく「g」で考える
総説では、もうひとつ大事な指摘がありました。それは、タンパク質の量はカロリーの割合(%)ではなく、グラム数で考えるべきということです。
たとえば体重70kgの人が1日1,600kcalで減量しているとします。「タンパク質はカロリーの15%」と割合で決めると、とれるのはわずか60gです。国際スポーツ栄養学会が運動する人に勧める体重1kgあたり1.4〜2.0gで計算すると、最低でも98gは必要になります。
減量中こそ、カロリーが減る分タンパク質不足に陥りやすいので注意しましょう。
まとめ:結局大事なのは「カロリー」「タンパク質」「続けられること」
6つの疑問を見てきましたが、共通する結論はシンプルです。
- 体重や体脂肪を決めるのは、食べる時間や回数より「1日の総カロリー」
- 筋肉を守る・増やすには、タンパク質を十分な「グラム数」でとる
- 断食・食事回数・糖質制限などは、自分が続けやすいかどうかで選べばOK
ネットやSNSには極端な情報があふれていますが、「〇〇を食べたら太る」「〇〇だけで痩せる」といった話は、ほとんどが条件付きです。不安になったときは、今回の基本に立ち返ってみてください。
Revowthでは、今後も科学的根拠に基づいたトレーニングと食事の情報を発信していきます!
参考文献
Antonio J, et al. Common questions and misconceptions about diets: what does the scientific evidence really show? Journal of the International Society of Sports Nutrition. 2026;23(1):2707252.
https://doi.org/10.1080/15502783.2026.2707252
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岐阜県の岐南町というところでパーソナルジムをしています。「自分に合った食事の量がわからない」「何を信じればいいかわからない」という方は、HPからお気軽にご連絡ください。トレーニングと合わせて、続けやすい食事の組み立て方もサポートします。

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